幻灯火編

 序盤は「狐の恩返し」、最終的に「狐の婿入り」。
 パッケージデザインでも彼が詞紀といっしょにいるからメインシナリオっぽいのは当然なんだけど、他の男性陣がオマケシナリオ扱いのようでちょっとなあ、という印象です。
 でも不満はそこだけで、他はいいと思う。選択肢に苦戦してBADENDにまっしぐらでリセット&巻き戻しの繰り返しだったけど。
 幻灯火と悪路王の過去が切ない。悪路王が切ない。幻灯火に罪があるとしたら、仲間に裏切られて朝廷から罵倒されて失意のどん底にいる悪路王の側から離れてしまったことだと思う。しかも【不死】の呪いまで与えて。
 それから5つのシナリオ中、攻略対象二人が死んで、サブキャラ一人が行方不明になるという展開がショック。そのうち一人は敵に回ってるし。というか秋房と古嗣と、智則なんだけど。「白華」的好きなキャラBEST3に入る二人が……。
 九尾姿の幻灯火のスチルはとてつもなく美しかった。それから恋愛EDの花嫁衣裳の詞紀がとても美しかった。
 空疎尊がいい男すぎて撃沈。

空疎尊編

 スチルイベントのラブ度の高さが、空疎尊の性格とギャップがありすぎで撃墜された。以下「様」呼び。
 詞紀が勾玉の力で【オニ】の魂を取り込み、そのために詞紀を助けたい空疎様と、詞紀をあくまでも【オニ】と見なす弟の風波尊との対立がメイン。
 鴉の兄弟の過去が切ないんだけど、東風姫の立ち絵も用意して欲しかった。きっと風波と美男美女の相思相愛カップルだったんだろう。あー萌えー。(マテ
 秘術を使って空疎様が姿を変えた瞬間はかっこいいなと思ったけど、すぐに「黒髪に戻ってくれ」と思い直した。最終的に直っててよかった。
 選択肢は、主に逃げちゃダメだった。一回間違って焦ったし。でも主人公の詞紀の性格とか考えながら選択してたらだいたい間違えそうにないなと思ったんだけど、やっぱり他のシナリオでは「見守る」とか「逃げる」が正解も場合もあった。一概には言えないな。
 シナリオの半ばで神無巣日神が仲人になって二人だけの婚礼を挙げているシーンがドキドキで、後ろから抱きしめたり【オニ】の姿になろうとする自分に怯える詞紀を「貴様は美しい」と言ったりシナリオ中に一回夫婦の契りを交わして恋愛EDでも夫婦の契りを交わして、さらにキスがあまりに妖しくて悲鳴を上げかけたプレイ中。空疎様いいよ空疎様。
 二回も契りを交わしてて、しかも恋愛EDのセリフが妖しいったらないから、ファンディスクはR18で出して欲しいと思うファン心。
 ところで空疎様は他ルートでもうっすら詞紀のことが好きだと判明。

胡土前編

 初見は全くの対象外だったのが、空疎様、秋房とやっていたらあまりの渋さに興味が湧いた。
 で、始めたら非常にかっこよくて、しかもキスがエッチでドキドキした。しかし道満とか智則が見ている前でするのか。でもキスがエッチだからどれだけ恋愛EDは妖しくなるんだ……と思っていたら、旅装束の詞紀をお姫様抱っこして豪快に笑っている胡土前のスチルでちょっと意外だった。全年齢向けのゲームでエロを期待するのもどうかと思うけれど。
 ところで「白華」は攻略対象の最後の戦いの相手が本人と繋がりが深い人なんだけど、胡土前のシナリオはほとんど元の弟子である綾読が姿を変えた【オニ】との戦い。胡土前と、大蛇一族と、綾読との過去が切ない。なんだろう、「白華」って半分ぐらいラスボスが嫌じゃない。(時々腹立たしいのもいるが)
 このシナリオの空疎様がいい男すぎてまた惚れ直した。
 シナリオ中、元大蛇一族が使っていた小屋の中で、【オニ】と胡土前と、詞紀が共同生活する展開が、新婚さんみたいでよかった。あとおんぶスチルの胡土前のオヤジギャグと、囲碁に負けて水柱で碁盤をひっくり返す負けず嫌いが好きだ。
 というかこの小屋のシーンで何かあればよかったのに。(何

隠岐秋房編

 初見で空疎様の次に興味があった。「姫様姫様」って連呼するワンコ属性っていいよね。
 でもこのシナリオは秋房よりも、言蔵智則が切ないんだよぉおぉぉぉ……!
 恋愛EDでは考えを改めているけれど、シナリオ中、【剣】を握って【オニ】を殺し、世界を滅ぼそうとする智則を、なんで秋房と詞紀は二人揃って責めてしかも智則のことを無視して惚気てるんだよ。もっと智則のことも見てやってよ。
 隠岐家の祖先が常世神で、ずっと昔の玉依姫が常世神に惹かれていたとか、そういう伝承はいいんだけど、それを知った智則の絶望ってきっと半端なものじゃなかっと思う。秋房は馬鹿みたいに「姫様を救いたい」とか言ってて、姫様は姫様でそういう秋房にやさしく微笑んでいるとしたら、智則は心中穏やかではいられないよね。切ないよぉぉおぉぉ……!
 「愛する人を苦しめているものを取り除くために、世界を壊す」とか、ヤンデレみたいなことになっているけど、実際は半分ぐらい作っていたことが判明。でも半分は本当にヤンデレだと思う、智則。詞紀に苛立ちと想いをぶつけるシーンは緊張しながらテキストを読んでました。
 このシナリオでは道満を闇討ちして、とどめを刺すためにさらに短刀を押し込むことをする智則だけど、他シナリオでも最強。敵から注目されていたい間に隠し持った短刀で縛られた手首の縄を切ってみせて、さらに道満の傀儡を倒すという所業に出るし。
 っていうか智則しか語ることがないってどういうこと。

秋篠古嗣編

 胡土前と同じく、初見はあまり興味がなかったんだけど、やり始めたらどっぷり嵌まったキャラ。
 「白華」平安京ルートは、藤原貞繁と秋篠吉影の二人の貴族が玉依姫と【剣】を自分のものにしようとするのが基本になるけれど、他のシナリオでは主に吉影の意に従って汚れ役に徹し、時に詞紀の敵にもなる古嗣が、父を止めようするのがここでの展開。
 でも古嗣が本気で詞紀に忠誠を誓うまで、詞紀さえ古嗣を信じきれない心情の揺れ方が好き。しかも詞紀は自分に強く言い聞かせようとするのね。この主人公、本当、漢前だと思う。
 それで、ラスボスもやっぱり【剣】を手にした吉影が、【まつろわぬ民】を蹂躙しようとする朝廷を滅ぼすのを、古嗣が詞紀と共に止める展開に。秘術によって生の時間を失おうとする古嗣のために、もはや自分の命まで終わると思い知った吉影が養子である彼に【剣】の力と自分の残った命を差し出して、【剣】共々消滅するところはいいんだけど、でも吉影の朝廷に対する恨みがなんだか軽くて、「それだけのことで?」みたいな感じになった。なんで悪路王とは違うんだろうと思ったら、悪路王は200年を独りきりで過ごしてきたんだよね。
 スチルイベントは、酒に酔った古嗣が詞紀を抱き寄せて「いっしょに逃げようか」と囁くのと、恋愛EDの「僕の妻になって欲しい、詞紀」と言ってキスするのが、美しくて妖しくて好き。その後、契りを交わすみたいな描写だし。
 だから、「白華」のファンディスクが出るのだったら、R18に…(ry