【春の詩】〜幻灯火〜

 「春」「桜」といったイメージが一番強いシナリオでした。詞紀が幸せだと、とても幸せな気持ちになりますね〜。
 本編では悲壮感漂う幻灯火だったから、後日談は抜けている性格が浮き彫りになって可笑しいです。食事を口いっぱいに頬張ったまましゃべるとか、ちまきに強いこだわりを見せるとか。
 個人的には、「お前が悩んでいることはなんでも分かる」と言って、「ちまきを食べたいと思っているのだろう?」と言っちゃうのがおもしろいです。さらに詞紀が悩みを口にしようとしたら、「新しいちまきの考案か?」とさらにこだわってるところとか。
 そして詞紀の手作りのちまきを食べて、狐の耳としっぽが出てきて満足そうにしている幻灯火がかわいいです。というかその耳としっぽに触ってもふもふしたいです。
 でも幻灯火のシナリオって古嗣、秋房、智則がいないから寂しい。

【春の詩】〜空疎尊〜

 本編の恋愛EDに比べたら、お色気控えめの後日談ですが、空疎様のシナリオに限ってエロティックなムードが漂っています。
 まず禊ね。禊! 禊! 禊禊禊禊禊!
 空疎様が「身を清めるために禊をする」って言った時に、なんだかいっしょにやるような感じだったけど、「まさかね! 空疎様と禊なんて無心にならないよね!!」と思ったんですが、やっぱりいっしょに禊でした。
 あぁあぁぁぁ……白い着物姿の二人が濡れているだけで色気が半端じゃない。しかも濡れ鴉が詞紀を追い詰めてキスとか、禊の意味あるんですか?
 あと、幽世への旅の途中で、詞紀が憂鬱そうにしているからって、からかうために「顔を見せろ」と言って後ろから抱きしめるとか。後ろから抱きしめるスチルは、健全乙女ゲームを越えているよね! 特に詞紀の顔が。
 それで、剣を消すことに成功してから、季封に帰ってきてからの、仲間達のやきもち交じりのからかいに腹を立てて、彼らを吹っ飛ばした空疎様が可笑しくて吹きました。
 そしてグッドEDはまさかの出来ちゃったネタ……ああ、もう、幸せすぎてニヤニヤが止まらない。

【春の詩】〜胡土前〜

 本編ED後の、剣を壊すために旅立った二人の旅路の一端が舞台。
 神産巣日様と風波尊が忍んでいないお忍びで信濃国にいて、かき回してくれるのがいいですね。
 というか本編であんなにエロいキスをしてたのに、剣を壊すまで手を出さないってどういうことですか。それから「我慢してた分、愛してやる」って、剣を壊した後はどれだけ激しく愛するんですかー!
 →っていうのを温泉で裸の付き合いをしながら話しているんだもの。説得力はあるけど、今すぐに押し倒してください。
 神産巣日様が「お前らが望めば【天地創造】も出来るぞ」と言って渡そうとする薬について、胡土前とは話が噛み合っているのに、話の内容が分かっていない詞紀と風波尊がお約束通りの生真面目さんで和みました。
 ……っていうかEDは【天地創造】じゃないのね。

【春の詩】〜隠岐秋房〜

 本編であんなに苦しむ智則に持っていかれた私としては、後日談でこんなに智則のいない現実に苦しむ二人に「今更?」感がぬぐえません。
 シナリオは好きなんです。従者だった秋房が、妻になった詞紀を名前で呼べないとか、恋人として隣に立ったら緊張しちゃうとか、カミ三人に「あいつはいつもおかしい」呼ばわりされているのとか、めちゃくちゃ可愛いし、応援したくなるんです。
 今回の後日談で智則との関係を前に出すのなら、せめて本編のあのクライマックスで、もうちょっと三人が会話すればよかったのに。肝心なところで詞紀が気絶していて知らないなんて。
 でも後日談EDの手前で、名前で呼ぶか今のままで通すかをかけて対決した後、秋房が負けて「智則の声がして、『いい加減にしろ、お前たち』と言っている気がしたから」と言った時に感動して溜息が出ました。

【春の詩】〜秋篠古嗣〜

 本編EDで結ばれてから、京に戻ってきた後日談です。
 ああ、もう、【春の詩】はどのシナリオも詞紀が幸せすぎて泣きそうなんですけど、古嗣と詞紀が幸せなのがいい〜。古嗣の甘い文句に顔がにやけるんですが、どうしてくれる。
 この後日談の内容は古嗣の浮気?騒動なんですけど、関わってくるのが季封の補佐二人で、しかも古嗣の浮気疑惑を信じすぎて、彼に斬りかかろうとする秋房と、食事に毒を盛ろうとする智則が怖すぎる。古嗣も言っているけど、詞紀って愛されてるよね。
 しかし本編は妖しい雰囲気からEDでのお色気ドーンが来たのに、後日談はやけにあっさりしてないか? と思ったらグッドEDで来ましたー。
 【天地創造】はないのかよー!←
 用語集で【天地創造】が載ったら、レーティングがR指定になるよね、きっと。

【冬の綿雪】〜言蔵智則〜

 待ち続けて、一時は諦め忘れかけた、念願の智則シナリオが来ました!
 初めは、「どうせオマケ的なシナリオなんだろ?」と疑っていたんですが、やってみれば春よりも夏よりもずっと手がこんでいて、本編と変わらないボリュームで大満足です。
 なんだか、五人だけじゃなくて、智則やアテルイのシナリオもやって初めて「白華の檻」の世界観を味わった気がしますね。
 秋房のシナリオで、秋房が道満に騙されて貞繁を暗殺しに行こうと秋篠家を出るところから話は始まるんですが、道満と並ぶ智則の策士ぶりがすごいです。智則って誰よりも頭がいいんじゃないの?
 力は強くないけど、気配を隠して急所を突いたり、白華の世界で一番強いんじゃないかと思います。
 で、シナリオの肝は、秋房のシナリオと同じように、智則は詞紀を助けるために剣と一体化して、そうなったところを常世神になった秋房に討ってもらうという計画を胸に秘めて行動しています。というか秋房のシナリオの時から、剣と一体化した智則をどうにかして救って欲しいと思っていたから、この展開は理想通りで嬉しかったです。それから、秋房のシナリオではどうしても智則を助けるというより、剣と一体化した彼対秋房と詞紀という、1対2の構図だったので、今回は純粋に秋房と詞紀が智則を助けるために、彼と対峙するというのも嬉しかったですね。
 オニとの戦いより三年前の、玉依姫脱走事件の時に、あえて悪役となって詞紀を追い詰めて捕らえた智則が、宮殿へ帰る途中で「俺を殺せば、お前は自由になれる」と言って短刀を差し出すのが切ないです。でもオニとの戦いの間も、剣と一体化した自分を殺すように懇願する智則も、結局残酷なことをしているんですよね。守ろうとした彼女の手で殺させるって。
 EDで、智則と詞紀が結婚することになってたんですけど、そこまで考えたことがなくて、意外すぎて感動ひとしおでした。
 最後のスチルが幸せそうで最高です。……あれ、思い出しただけで目から水滴が。

【冬の綿雪】〜アテルイ〜

 正直に言いますと、アテルイと詞紀って想像したことがなくて、そもそも詞紀とよりも、幻灯火との友情のほうが好きだったので、期待せずに始めました。
 ハマってしまったよ、一Dの思う壺に……! アテルイと詞紀最高! かっこいいという言葉はこのカップルのためにあると思う。アテルイの言う幻灯火を死なせた毒に、じわじわと冒されていくアテルイがよかったです。
 基本的に敵と戦っている姿にかっこよさを見出す詞紀って、本当“漢”ですよね。
 アテルイの捕虜になっている間に、土蜘蛛に都人と勘違いされて捕らわれて、それ以降土蜘蛛の里で世話になっている間に、土蜘蛛の女達からアテルイと恋人関係を疑われたり、アテルイと背中合わせになって官軍と戦ったり、そこから芽生える信頼関係に萌えました。
 さらに、始めは幻灯火をおかしくした毒の正体を見極めようとして詞紀を側に置いていたアテルイが、自分でも知らないうちにその毒に当てられて、官軍に戦を仕掛けるつもりだった気持ちを変えて「お前らは生きろ」と土蜘蛛を大陸へ逃がす展開に胸が熱くなりました。
 それから、オニや虚との戦いが始まった後、自分の率いる軍を本隊へ合流させるために、一人で虚と戦っていた詞紀のピンチを、アテルイが助けるところでは「お、王子様!?」と錯覚しますね。不死人の王子ってどうなの。
 智則のシナリオでは、秋房・詞紀と協力する智則が見られるんですが、やっぱりアテルイのシナリオでも幻灯火が彼と協力してオニと戦う展開になります。それも熱くなりますねー。アテルイと幻灯火萌え。
 で、オニとの戦いで剣も消滅してから、詞紀はアテルイや土蜘蛛の民とともに大陸へ渡って生活しています。最後の、アテルイの物を贈られることで夫婦になる、という展開に頬がゆるみっぱなしでした。